セイヨウタンポポ。

道端のどこにでも映えている花です。

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これも
ホメオパシーでは立派な薬として利用しています。


開花期に根を含む全草が、
ホメオパシー薬の原料として使われます。




セイヨウタンポポ(Taraxacum officinale)は、
ヨーロッパ原産のキク科の耐寒性植物で、
日本でもおなじみの花です。


日本中どこにでも咲いていますが、
日本のセイヨウタンポポの多くは、
ニホンタンポポとセイヨウタンポポの交雑種です。

日本には、明治時代には渡来していた記録が残っています。




英語では、
そのギザギザした深い鋸歯の入った葉縁の形から、
Lion’s-teethDandelion(ライオンの歯、フランス語でdent de lion)、
pee in the bed(おねしょ)
Lion's teeth
Fairy clock
などと呼ばれています。

面白いことに各国の名前で
ライオンの歯
という意味の名前が付けられています。

ドイツ語ではLowenzahn
スペイン語ではDiente-de-leon
などとも呼ばれます。



Pee-in-the-bedWet-a-bed(おねしょ、フランス語でもpis en lit)というニックネームは、
この植物の持つ強力な利尿作用のためでしょう。



学名のTaraxacumは、
ギリシア語のtaraxo 混乱、takos 治癒
に由来すると言われています。

また、
ギリシア語のtrogemon 食用のという語に由来するという説もあります。



漢方薬としては、
「蒲公英根」と称して、
強肝作用、
血圧安定作用、
利尿作用、
排便促進作用
などの薬効で使用されています。



セイヨウタンポポの草丈は、
20-50cmに成長します。
葉は羽状に深い切れ込みがあり、無毛です。
葉は、根からロゼット状に生えているため、
雨水を効率よく受け止めて、
主根に流します。


開花期は、
早春2月から晩秋までで、
黄色い花を咲かせます。


冬に咲いているものも見かけます。
茎は中が中空で、
一本の茎の頂に一つの直径3~5cmの頭花をつけます。

頭花は、舌状花が集まって形成されており、
日光があたると開いて、
夕暮れに花が閉じるので、
海外では「牧童の時計」という名も付いています。


花後は、
すべて両性のため単為性殖で結実し,
種子の先に萼(がく)の変化した白色毛状の冠毛が、
マリのようについているので、
梵天耳掻きのような形状をしています。


これが風にのって、
遠くまで運ばれていきます。

繁殖力は強いので、
いろいろな場所で見かけることができます。


根は太い直根で、地中深くまで達します。

根の外皮は濃褐色ですが、
乾燥したものは黄色実を帯びています。

根の形状は、
細長い円柱状で先が細く、
少し分枝します。

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主な成分
セイヨウタンポポに含まれる主な有効成分は、
タラキサシン、
タラキセロール、タラキサステロール、ホモタラキサステロール、パラオキシフェノール酸、フェノール酸、イヌリン、アスパラギン酸、ステロール、トリテルペン、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、コリン、ペクチン、ルテイン、精油、各種ビタミン(特にAB1B2CD)、各種ミネラル(特にカリウム、カルシウム、鉄)
などがあります。



薬効

タラキサシンには、消化管を刺激し、消化促進作用、強肝利胆作用などがあります。
世界中で肝臓の薬草として用いられてきましたが、
これはこの植物の作用として、
胆汁分泌の流れを倍に促進する作用があり、
胆汁産生も増加、肝臓から胆嚢への流れも促進することが確認されています。

特にタラキサシンの研究では、
胆汁の分泌が顕著に促進されることがわかっています。
また、
タラキサステロールの乳腺癌の研究では、抗癌作用を示す報告があります。

根の利尿作用は、
一般医薬品のフロセミドに匹敵するとも言われています。

フロセミドと異なりカリウムが失われることが無く、
安全性も高いようです。

イヌリンにより、血糖値を安定させる作用もあります。



一般利用

セイヨウタンポポは、
食用としても利用され、
根はピクルスやコーヒーの代用品に、
花はワインや蒸留酒であるシュナップスの原料に、
蕾はピクルスに、
葉はサラダや野菜料理になります。




薬草

メディカルハーブとしては、
健胃作用、消炎作用、解熱作用、利尿作用、
催乳作用、強壮作用、抗炎症作用、抗菌作用、利胆作用、抗癌作用などが知られています。

特にカリウムが多く含有されているため利尿作用が強く、
古くから水分の調節に使用されるハーブの一つでした。


消化不良、胃痛、健胃、腸炎、風邪、痔、貧血、乳汁不足、肝機能障害、胆嚢疾患、心疾患、リウマチ、各種皮膚疾患、便秘、疣、月経前症候群、腎臓結石予防、乳腺腫瘍
などに使用されてきました。



毒性

大量摂取による毒性や有害事象は報告されていません。

 


フラワーエッセンスとして利用されています。

セイヨウタンポポのエッセンスは、現代人に多い仕事や様々なことに手を出し過ぎて、全く余裕のない人に適しています。

心身共に酷使しがちで、これを緩和すると言われています。
忙しい中でも、緊張を解いて、心の内面の平静さに気づかせます。忙しい人の心身のバランス調整によいエッセンスです。





ホメオパシーでは、
主に肝臓胆嚢を中心とした消化器系の症状の治療に用いられています。




ホメオパシーでは各レメディごとに
効きやすいタイプの「レメディ像」と呼ばれるものがあります。


セイヨウタンポポのタイプは、
無気力で、落ち込んでいて、いつも独りごとを言っている傾向があります。
記憶力も弱く、イライラしていて短気です。
舌が地図状に変色していることと、指先が冷たいことが処方の目安の一つです。
食欲はあまりなくて、
食事の前後で口の中が苦く感じます。
食べ物は酸っぱく感じることがあります。
食後に寒気を感じることがあります。
夜になると多量に発汗します。
タバコの煙は、胸焼けを起こし、呼吸の邪魔なので、非常に嫌います。




身近な植物や動物、鉱物にもたくさんの薬効があります。



文責:森井啓二

引用:「臨床家のためのホメオパシー・マテリアメディカ」