臨床におけるホメオパシー医療の適用

 

ホメオパシーは、
多くの症例で
一般治療の補完・代替として利用できます。




ホメオパシーを治療選択肢の一つとすることで、
心身共にケアが出来、
治療の幅が広がり、
診察の質を確実に高めることが出来ます。


ホメオパシーの最大のメリットは、
症状を抑圧しないで、
完治を目指せることにあります。


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臨床にホメオパシーを適用する際には、
ホメオパシーを処方する医療従事者は
外科と内科、その他の治療法を経験・精通していることが必須になります。

目の前にいる患者さんにとって
最良の方法を的確に選ぶには、
あらゆる経験と知識が必要だからです。






1.軽い症状や軽い打撲といった病院に行くまでもない状態のセルフケア治療

 

2.乳幼児、妊娠中、高齢者の諸問題

乳幼児や妊娠中の動物には、
将来のことも考えて
できるだけ潜在的に副作用のある薬を使いたくないと考えます。

通常の医薬品は、
効果の方は比較的明確にされていますが、
その背後にある効果以外の生体内の作用についてはわからない部分も多いためです。

実際に、
人では母親が妊娠中に飲んだ薬が、
子供が成人になってから副作用として発症した報告例もあります。

 

一見安全そうな生薬の中にも妊娠中の禁忌薬物はあります。

烏頭、馬銭子などは流産を引き起こす可能性がありますし、
牛膝などは子宮を収縮する作用があり、
巴豆、大黄などは胎盤が充血する作用があるために流産の危険性があります。

ホメオパシーでは、
基本的に医薬品や生薬のような流産や胎児への危険性はありません。

上記の生薬は、ホメオパシーでは、
烏頭はAconitum
馬銭子はNux vomica
牛膝はAchyranthes
巴豆はCroton tiglium
大黄はRheum officinale
としてホメオパシー薬として妊娠中においても使われています。

加えて、
ホメオパシーは症状を抑圧しないので、
将来に別の症状で現れてくるような心身の歪を残す可能性が軽減されます。

同様に
体力の弱っている高齢動物でも大量に薬を飲む方も多く、
よりよい状態を目指して
薬の必要性を慎重に考慮するときに役立つ治療です。

 

3.一般医療で効果的な治療法がない場合

医学が高度に発達した現代でも、
効果的な治療法が無い病気や症状は多くあります。

ホメオパシーの場合には、
レメディに含まれる情報の多さやあらゆる身体や感情・精神の状態を記録するために、
ほとんどの症状に該当するレメディが存在します。

また
みぞおちに強い違和感があるなどといった場合や
朝起きるときに体が重くて動けなくなるなど、

直接病名をつけるほどではない不定愁訴のような細かな症状に対しても、
数多くのレメディが存在します。

そしてほとんどの場合、
これらの症状を的確に取り除き、
体調をよりよい状態に導くことができます。

ある著名なホメオパスは、
身近に優秀なホメオパスがいれば、
人は平均寿命が20年は延びるであろうと明言しています。

 

4.一般医療が、アレルギーや副作用により適用できない場合

動物によっては、
医薬品の副作用が容認できない場合や特定の薬物に対して薬物反応を起こす場合などがあります。

このような時には、
できるだけ一般薬を避けてアレルギーや未知の副反応の心配がないホメオパシーでの治療が適用できれば、
それが理想的です。

 

5.一般医療と同等の効果があり、代替補完医療がより有益と判断された場合

ホメオパシーでは、
問診の結果一般治療と同等の効果、
もしくは
総合的に判断してより有益と判断できる場合もよくあります。

 

6.一般医療に近い効果があり、充分な説明後に飼い主が強く代替補完医療を希望する場合

ホメオパシーでは、
問診の結果一般治療と近い効果の場合、
もしくは
総合的に判断して有益性が認められた場合もよくあります。

特にホメオパシーでは、
症状を抑圧することがないために、
その生体を一生に渡って使用することを考慮すると、
ホメオパシーの選択も有用です。

ただし
現症が、
一般薬の方が明らかに早く見た目が治るようであれば、
充分なインフォームドコンセントを行い、
理解と納得を得た上でホメオパシーを適用を慎重に判断します。

 

7.重篤な症例で従来の治療法が行えない場合

慢性消耗性疾患や癌、高齢、その他の状態により、
従来の治療法の有益性よりも負担が大きくなるような事例も見られます。

 

8.一般治療との併用において副作用の軽減や投与量の削減の補助

一般の治療とホメオパシーの併用は出来ないと思っている人が多いのですが、
実際には
従来の医学的治療に加えてホメオパシーを導入すると
よりよい治療が行える症例が数多くあります。

例えば、
生涯にわたって一般医薬品の投薬を行わなければならない症例もあり、
そこにホメオパシーを加えることで
生活の質が向上したという論文も発表されています。



また
西洋医学の薬の副作用の軽減を、
さらに薬を行なおうとすると、
薬の種類がどんどん増えることになり、
複数の薬の相互作用がわかっていない面もあるために、
体に余計な負担を強いることになってしまう可能性も出てきます。


中医学では
「中西結合」といって
現代西洋医学と東洋医学を統合しようという動きがあります。

中医学では、
中医学の診断をやり直す必要があるために、
一人の患者さんに両方面からの診断がなされます。

ホメオパシーも全く同じで、
西洋医学とホメオパシーの併用が広く行なわれていますが、
やはり
診断のアプローチの仕方が異なるので、
両方面からの分析はとても有益です。



ホメオパシーの問診は、
時間をかけて非常に丁寧に行なわれるために、
西洋医学側での診断と治療にも
大いに役立つことがわかっています。



医療分野は年々進歩していますので、
適材適所での使い分けが重要となります。

幅広い視野と経験を持たずに、
一つの治療法に盲信固執することは、
治療される動物のためになりません。

 

9.問題行動や精神的な問題に対する治療補助

精神的な病気や問題行動などは、
通常西洋医学的な適切な診断と治療が必要になることもあるのですが、
ホメオパシーはこの分野でも多くの成功を収めています。

特に
動物の行動療法では時に素晴らしい効果があることもあります。

Phosphorus
3日間飲んで極度の対人恐怖症が劇的に治ったボーダーコリーや
Tiger Urine5
日間で縄張りに入ると人に襲い掛かるアメリカンショートヘアでは猫が代わったようにゴロゴロ擦り寄ってくるようになるなど、
うまく心の歪とレメディ像が合えばホメオパシーは大変効果があります。

ここで注意が必要なことは、
ホメオパシーで本来の性格が変わるわけではないということです。

ホメオパシーの創設者ハーネマンは、
とても大人しく従順な慢性病の患者の治療後に、
急に性格が悪くなると報告していますが、

これも抑圧されていた本来の抑圧されていた性格が出てきたことによります。

精神的な病気は、
患者の気質に加えて、
様々な要因が複雑に絡み合っているために、
難しい症例が多いと思います。

ホメオパシー以外の方法も併用しながら、
うまく治癒に結びつく方法を取ることがよいとされています。

 

10.過去の出来事が今の病気に繋がっている場合

現在の医学が
精神的な問題を現症だけに的を絞って、
その症状を抑えていくのに対して、

ホメオパシーでは
過去の影響に起因する病気に対する治療法が確立されています。

例えば、
過去の精神的ダメージなどに起因して症状が出ていたり、
過去の感染症にかかって以来ずっと体調がすぐれない場合など、
さまざまなケースに応じた治療法があります。

ホメオパシーは、
エネルギー医学の一つの特徴として、
時間軸にさかのぼって治療していくことが可能です。


精妙なエネルギーレベルの影響の蓄積は、
現時点の心身に凝縮されているからです。

過去の出来事は、
最近の研究によって病気の重要な要素になっていることが示されています。

多くの研究によって、過
去の精神的・身体的な出来事が、
癌や難病をはじめとする多くの病気の発生率と関連性があるという結果が示されています。

 

11.過剰な重金属などの排泄補助

現在、
生体内のミネラルの重要な働きに関する学問分野も確立され、
その重要性が認識されはじめました。


また、
近年の過度の経済活動による世界各地の重金属の汚染も社会問題化しています。

明らかに生体に害を与える場合には、
ホメオパシーも一つの選択肢になります。


ホメオパシー薬による重金属排泄の事例

Cazin J.Cらが行った実験の一つをご紹介しましょう。
砒素を毒性量投与した60匹のラットを使い、
12時間後にArsenicum alb7cまたはポテンシー化した水7cを腹腔内投与した結果、Arsenicum  album投与群は、水投与群と比較して40%多くAsの排泄が見られています。
血中の砒素濃度もホメオパシー投与群で有意に低くなりました。

明らかにホメオパシー投与群の方が、金属の排泄が促進されています。

さらに
同様の実験は繰り返し追試が行われ、
同じ結果が出ています。

Cazin J.C.,Cazin M., et al.A Study of the effect of decimal and centesimal dilutions of arsenic on the retention and mobilization of arsenic in the rat. Human Toxicology1987;6:315-320

これと同様の実験が、BismuthPlumbumでもおこなわれていますが、
いずれの結果もホメオパシー投与により過剰な金属の排泄が促進されています。

 

12.癌や慢性疾患、難治性疾患の生活の質(QOL)を考えた治療

癌の病態は、根が深く治療が難しいものの一つです。

癌とひとくくりにされている病気には、
部位によっても性質によっても様々な病気があり、
一つの共通の病気ではありません。

また、
一般には、
癌は体に出来た塊が癌というように誤解されています。

しかし、
癌はそれだけではなく、
癌の本体は、その塊やがんの状態を作り出した生体内に蔓延する「癌の気」です。

この不可視の癌気質を治さないと、
塊だけを取り除いても、
真の治癒とはいえません。

動物では、
癌がホメオパシーの治療により完全に消えた報告例が多く存在します。

また寛緩例においても、
抗癌剤を使用した場合の予後よりも長く、
QOL
もいい状態に保てた例も数多く存在します。

癌は
ホメオパシーだけで治療するものではなく、
外科手術をはじめ他の優れた治療法も積極的に取り入れるべきだと思います。

ただし、
化学療法の後で、
ホメオパシー治療を行うと効果が不明瞭になる場合があります。

化学療法を使うかどうかに関しては、
メリットがある腫瘍もありますので、
あらゆる面から慎重に判断すべきであると思います。

難治性疾患に対しても、
ホメオパシーは適切に使った場合には、
非常に有用となります。

多くの完全治癒例も報告されていますが、
これは、
症例の全体像が完全に把握され、最類似薬が見つかり、
それに対する生体反応が可能だったなどの条件が必要になります。

これもあらゆる状況がありますので、
各々の症例でよりよい治療を行うために統合医療を常に考慮することが大切です。

 

13.未病段階での治療

ホメオパシーは未病段階における軽い症状にもきめ細かく対処できます。

「聖人不治已病、治未病」(聖人はすでに病気になったものを治すのではなく、未病を治す)(素問;四気調神大論)という言葉があります。

優れた治療家は、
病気が発現する前の段階で治すのが理想とされる考え方です。

ホメオパシーにおいては、
些細な症状の発現にも目を向けて対応することが可能です。

一方で、
西洋医学ではほんの取るに足らない症状に対して医薬品を出すということは多くありません。

些細な症状の勢いが強くなったり、積み重なったり、複合したりして、病気が発現する前に、ホメオパシーのレメディで対処できることがよくあります。

 

1.一般の医療での検査の結果「どこも悪くない」と診断された病気

通常の医療では、主訴に応じた様々な検査が行われます。

しかしながら、
各種検査は完璧なものではなく、
検査で異常が見つからない病気も存在します。

その場合
動物は明らかに苦しいのにもかかわらず、
「どこにも悪い所はありません。」と言われてしまうこともあります。

この悪い所がないという話は、
患者さんの体の話ではなく、
検査結果の話なのです。

このような場合、
西洋医学ではどうするかというと、
何もしないか、
もしくは効きそうな薬を「とりあえず」処方して、
「とりあえず」様子を見るという方法しかないのが現状です。

薬を飲んでいる間に
自然治癒力が出てくれることを期待するわけです。

この点ホメオパシーでは、
こういった状態でも治療法があります。

検査は大切ですが、「とりあえず」の薬よりは的確な処方が可能になる可能性もあります。

もちろん
この範疇には西洋医学での治療の方がすぐれている病気もありますので、
慎重な判断が求められます。

 

15.治療前後のケア

一般治療においてもホメオパシー治療においても、
フォローにはホメオパシーがとても役立つことがあります。

 

1. ホメオパシーは芯から完治を目指す治療の一つ・ 一般治療において対症療法しかない場合

ホメオパシーは
症状の抑圧がないという点と原因にさかのぼった根本治療が可能である点が長所になっています。

特に
過去に大きな精神的なダメージを受けて以来病気になっていたり、
昔の感染症のあとからずっと体調がすぐれない
などという過去の原因にさかのぼって治療することが可能です。

また
一般の西洋医学の治療では、
対症療法しかない場合が多いのが現状です。

中医学では
「病人頭痛、医生也頭痛」
という言葉がありますが、
これは病気の本質を見抜けずに、
対症療法ばかり行い、
根治できないことを皮肉った言い方です。

中医学でもホメオパシーでも、
対症療法ではなく、
真からの根治を目指した治療法です。

例えば、
頭痛の原因がある出来事によって激しい叱責を受けた後から始まった症例では、
西洋医学の薬で完治せず、「叱責による頭痛」のレメディ像を持つホメオパシー薬によって完治したという例があります。

このような症例では、
頭痛の原因が精神的な叱責による場合、
精密検査で異常が見つからずに、
西洋医学では痛み止めの薬を処方するしかないようなケースがあると思います。

これは
叱責による治療薬というものが西洋医学では存在しないからです。

ホメオパシーでは、
このような詳細な原因に対しても、対処法が見つかります。

 

17.その他総合的判断からホメオパシーによる医療または統合医療が有益と考えられる場合

 


以上


文責:森井啓二



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